悩みの日記。記すは発見。残すは苦悩。

日々の悩みや発見を書き起こし、問題解決の糸口を探る為の日記。

僕の水槽の中身

僕は熱帯魚が好きだ。ゆらゆらとヒレを動かして泳ぐ魚たちを見ていると、自分の愚かさや社会の息苦しさを忘れることができる。小さな彼らに慰められながら、大きな僕はどうにかこうにか精神を保ちながら生きることができている。

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1週間前の話である。ついこないだ引っ越しを終えた僕は一つ、引っ越しを終えた際に犯してはならない重大なミスをした。水槽の水やレイアウト、エアレーションも確認したし、これでよしと仕事へ向かった。帰ってきたらカージナルテトラとセルフィンプレコはカッチカチになってお亡くなりなっていた。水槽のヒーターをつけ忘れたのだ。

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茫然とし、ヒーターをつけてからタバコを吸った。彼らは冷たい水では生きていけない。そんなことは考えなくてもわかる。

 

しばらく時間が経って水温が徐々に上がってくると水底で息を潜めていたブラックモーリーが泳ぎ始めた。メダカの仲間であるこいつは温度変化に比較的強いほうだった。苔だろうが虫だろうが構わずなんでも喰らう悪食であるが、小さな体に見合わない生命力はその食欲に裏打ちされているものなのかもしれない。

 

アカヒレは水温が上がる前から普段と変わらない出立でのほほんと泳いでいた。彼らはよっぽどのことがない限り死ぬことはない。小さいが、かなり頑丈な魚だ。

 

11匹のカージナルテトラと2匹のセルフィンプレコの遺骸、葉のダメになった水草を取り除くと水槽内はかなりスッキリとした。剥き出しのソイルが無骨に見えた為、レイアウトされている流木を真っ二つにしてヘンジにした。彼らの小さな墓標である。

 

プラコを失った悲しみは非常に大きかった。買った時は小指ほどの大きさだった彼らは水槽内の掃除人の名に能う働きぶりで、他の魚達の餌の食べ残しを残らず食べてスクスクと大きくなった。死んでしまった時は掌より少し小さいサイズだったが、あそこから数年生きると倍以上の大きさになるそうだ。

 

いてもたってもいられなかった。目には目を、歯には歯を。ペットロスには新たなペットを。少し安直だったかもしれない。新しく迎えたのはワイルドのベタと2匹のブラックモーリー。セルフィンプレコの幼魚。

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そして、懲りもせずに60cm水槽とは別に45cm水槽を立ち上げようとしている。なぜだ、なぜそんな愚中の愚を行おうとしているのか。

 

それは明日がボーナスの支給日だからだ。誰にも俺は止められない。彼らは良き友だ。犬のように吠えないし、職場の老人のように叫ばないし、犬のように噛みつきもしない。時折ヒレを羽ばたかせて水面に音を上げるだけだ。

 

彼らが幸せなのかはわからない。しかし僕のように傲慢でも愚かでもない。僕と彼ら、どちらの方が幸せかは明々白々である。